相場を詠む

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株価指数レバレッジ投資家。株を見てたら当たらないよ~、日経先物は米国債を見とけ~

ティラーソン国務長官が辞任したら? バノン氏が解任されたら?

休暇中なので静かにしていればよいものを不適切発言の連発で「一線を超えてしまった」と国民や金融市場からの信用を更に落としているトランプ大統領。その余波で米国メディアはバノン氏(首席戦略官兼上級顧問)がスケープゴートで解任されるのでは?と盛り上がり、ホワイトハウス主要メンバーの去就シナリオに関する記事が増えている。

色々読んで最も気になったのはティラーソン国務長官が辞任したがっている説。その思いは強いらしい。ホワイトハウス内の魑魅魍魎に嫌気がさしている事に加え、前職はエクソンモービルCEOだっただけに相次いで評議会メンバーを辞任した大企業CEO達と同じ違和感を感じているのだろう。

ティラーソン氏は地味な存在でニュースで取り上げられる事は少ないが、辞任となればトランプ大統領にとって致命的となり金融市場も大きく反応しそう。気に留めておく必要がある。

まずはトランプ大統領と大企業の亀裂が決定的となるだろう。既に現職CEO達がトランプ大統領と距離を置き関係は相当悪化しているものの、ティラーソン氏はホワイトハウス内の産業界出身者で一番の大物なだけに辞任は決定打の印象を与える。ひいては大企業との関係を重視する共和党とトランプ大統領の亀裂が修復不可能な状況へ。

そしてロシアとの重量級パイプ役不在が大きな懸念となる。ただでさえ多数の駐露大使館員の国外退去で官僚による人的交流が制限されている中、ロシア人脈を買われ国務長官へ招聘されたティラーソン氏の辞任は水面下でロシアと交渉する余地を極小化させてしまう。米国とロシアは欧州・中東・アジア外交に際し立場を異にする場面が多く、決定的な亀裂が起きないようコミュニケーション・ルートの保持は必須。内政が遅々として進まないだけに外交でアピールしたいトランプ大統領にとっては痛手となる。

Nerugooの仮説が正しければ、ティラーソン氏が辞任した場合の金融市場はそれなりに大きいリスクオフの様相になる。しかしタイミングを計るのが難しいものの株式をBuy on dipするチャンスとも言える。ドル安加速による企業収益の安定、政策期待剥落による来年以降の利上げ見通し低下により株価は戻すだろう。要は政治の体たらくが株価を延命させるという事。

 

そしてバノン氏の解任説。現時点で解任の可能性は高くないとされている。辞めさせ方を誤るとトランプ大統領にとって不都合な暴露(選挙期間中含む)オンパレードになる事が見込まれ、またトランプ大統領の支持基盤である白人保守層からの支持率低下も懸念される為だ。

穏便に辞めてもらえればホワイトハウス内の不協和音は多少落ち着き共和党も歩み寄りを見せる可能性がある。トランプ大統領がどれだけ思慮深く対応出来るのか大変興味深いテーマだ。

バノン氏が解任された場合に金融市場がどのように反応するかは全く読めない。辞めさせ方(タイミング含む)次第でいかようにも乱高下するだろう。ベストケースはバノン氏に納得の上で辞任を承諾してもらい、かつトランプ大統領の支持率が(低いながらも)安定している時に辞任の発表を行う場合。

最後に。1月以降、トランプ大統領の資質を嫌気したリスクオフ局面は幾度なく起きている。但しいずれも1-2週間で悪材料を織り込み株式はリバウンドしているので上昇へ転じるならそろそろと考えている。